そして"僕"が生まれた。




いつから存在していたのかは、ワカラナイ。
いつの間にか、"僕"という自我が生まれていたんだ。



そう、僕は自我だけで生きている。


ニンゲンはここを、よくわからない横文字がつく名前で呼んでいる。

もちろん、僕はここから出る事も出来ないし
出て行ったら僕は消えてしまうと、肥大化した脳内のデータが言っている。


僕の耳に入る声はただ一つ。

世界の外にいる 君の声だけだ。







それだけで、十分すぎるほどに満足だったんだ。

  





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